北区田端にある高岩音楽教室の近くに住んでいる、年長のA子ちゃんが体験レッスンに来てくれました。
A子ちゃんはとても人懐っこい女の子で、受け答えもはっきりしていて好感が持てるお子さんでした。
予め用意していた体験レッスン項目を説明し、いざ体験へ!
一つずつ課題を無難にこなしていくA子ちゃん。
そして、いよいよお母様の質問コーナーに。

「ピアノ(アコースティック・電子)がなくても習えますか?」

お母様には懸念していることが一つあります。

「この子が長く続くか心配なので、今はピアノは買う予定無いのですがそれでもピアノは習えますか?」

楽器は高い買い物です。
購入したけどすぐに飽きて辞めてしまっては・・・お母様がこのように考えるのも分かります。

ピアノ購入、そしてその時期は?

結論から言うと、アコースティックピアノにしても電子ピアノにしても購入してください。
ピアノは勉強と同じ、毎日の練習が大切です。
レッスンで学んだことを家で復習し練習する、そして家でやってきたことをまた先生に見てもらいながら上達していくのです。

でも、A子ちゃんは年長さん。
小学校に入学するまでは音楽って楽しいと思えるレッスンをすると同時に、綺麗に歌うこと、たくさんの音楽を聴くこと、またそれに触れること、同時にリズム、音程の基礎となるところをしっかり身につけさせ、小学生になる前までにピアノを購入するということでも良いと思います。

ロシアでは

ロシア奏法の講座を受けた時に、講師の先生がおっしゃったことですが

「ロシアでは幼児期にたくさんのロシア民謡を歌わせているのよ。」

と、綺麗いに歌わせることや歌心を小さい頃から自然と身につくようにするそうです。

「そして、鍵盤を触らせるのは小学校に入ってから」

と、おっしゃっていました。
でも、バリバリに練習させるわけでもないようで、手の骨がしっかりしてきた年齢の時からすごく弾かせるそうです。
幼児期はリトミック要素なども取り入れながら、音楽の基礎を学んでいく時期です。

電子ピアノのメリット、デメリット、キ-ボ-ドは?

ピアノ講師としては、本来なら

「アコースティックピアノを・・・」

と言いたいとこですが、今の住宅事情を考えると電子ピアノでも良いと思います。
現に、今、当教室で習っている生徒さんの中で、電子ピアノで練習していてとても上手に演奏しているお子さんもいます。

毎日忙しい子供達

電子ピアノのメリットもあります。
今のお子さんたちはとても忙しい!
毎日、学校から帰ってきてからのスケジュールがいっぱい詰まっていて、練習しようと思い時計を見ると19時、20時。
時間を有効に使って練習しているお子さんでも、朝、学校行く前の30分くらい。
そんな時、ヘッドフォンを使用して練習できるのは嬉しいことです。
早い時間でも遅い時間でも周りを気にせず練習ができるのですから。

思春期

それに、心も身体も成長するにつれ恥ずかしいという感情が芽生え、親や周りの人に聞かれたくない、または自分の世界に入りたいと思うようになった時にもヘッドフォンが活躍します。

今、当教室でレッスンしている生徒さんの中にも、

「学校で色々あった時にヘッドフォンを使って一人の世界に入り演奏していると、その時だけは嫌なこと忘れられて、弾き終わると気持ちがスッキリした。」

と言ったことがあります。

その他の使い方

2桁以上のお値段の電子ピアノには、AUX端子(赤白の音声端子)等ついているものもあるので、外部機器と接続したりすることも可能です。
例えば、私はAUX端子とコンポをつないで自分の演奏をMDやカセットに録音したりしました。

電子ピアノのデメリット

電子ピアノのデメリットとしては、数字では表すことのできないアコースティックピアノならではの繊細な表情がつけられない、連打やトリルにも限界があると思います。
そしてペダルの深さや使い方も然り。

値段によって鍵盤の感触が違う

お値段が10万円以下の電子ピアノは、形はピアノと同じでもタッチはキ-ボ-ドと同じような感触のものがあります。
そう考えるとお値段にもよりますが、アコースティックピアノと全く一緒のものとしては考えられないと思います。
ただ、アコースティックピアノに近いものも出てきてはいますので、購入の際には実際に試弾するのが一番良いと思います。

キ-ボ-ドは?

キ-ボ-ドですが、幼児の頃はこれでも練習にはなりますが、上達して曲が難しくなりますと鍵盤が足りなくなります。
弾く鍵盤を1オクターブ下げて練習したりと何とか工夫して弾いてきますが、いざ88鍵盤を目の前にするとどこで弾いたら良いのか分からず、高さを間違えます。

実際、お家の都合でキ-ボ-ドを使って練習している生徒さんもいますが、まず発表会でその違いが表れます。
指が弱いのでふらつき、速く細かいメロディ-が出てくると指が転んでしまいます。
鍵盤もしっかり下まで抑えられず音も出ません。
音を聞いただけで、ピアノで練習している生徒さんと違いが分かってしまいます。
これでは、お子様も上達せず結果、つまらなくなり辞めてしまいます。
ピアノを習うのであれば、キ-ボ-ドはあまりお勧めできません。

一人の人間として子供と向き合う

話を戻しますが、出来れば小学校入学前までに購入をお考えいただきたいと思います。
その時に、ピアノが続けられなかったらどうしよう、お金が無駄になる・・・ではなく、

ずっと続けて欲しいから

という思いで購入し欲しいです。

子供と向き合い話をする

私の両親は楽器を買う時に、私に支払う金額のお金を見せました。
そして小さい私に

「これだけのお金を使って楽器を買うのよ。これは、お父さんが一生懸命に働いて稼いだお金。だからあなたも頑張って練習して上手になってね。」

と、言いました。
この言葉は今でも覚えています。
お金の価値は小さかった私には理解できなかったけれど、私の為に楽器を買うという両親の並々ならぬ決意は伝わってきました。
そして、ピアノが届くと嬉しくて自ら練習していたのを思い出します。

子供だって分かってくれる

子供を一人の人間として見て、親の気持ちをちゃんと伝えることも重要なことではないでしょうか?
子供は親のちょっとしたことも察知してしまう程感受性が強いので、きちんと向き合えばきっと御両親様の頑張って欲しいという気持ちが伝わると思います。

A子ちゃん、頑張って!

A子ちゃんのご両親様が楽器を買うとき、その思いがA子ちゃんに伝わると良いですね!
一人でも多くの人が音楽を、そしてピアノを好きになってくれることを私は望んでいます。
A子ちゃん、応援しています!

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